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あなたがいたら ~7~ 

道明寺財閥総帥の隠し子騒動は、ここ日本でも大きく報道された。

写真の相手が一体誰なのか?

果たして本当に総帥の子供なのか?


この報道を知り、あの一件以来司とは距離を置いているF3も、様子が気になっていた。
特に面倒見の良いあきらは黙って静観している事が出来ず、カフェテリアで司を見つけると近寄って話しかけようとした。


その途端


「……けた」

そう呟くと、、司は何か思いついたかのように勢いよく立ち上がり、不気味に笑みを浮かべながらカフェテリアを去って行った。


あきらは司のその異様な表情に、長年の付き合いから嫌な予感を感じ取っていた。

しかし何なのか…

確信が持てないままに司の後姿をじーっと見つめていると、

「ヨォッ!今の司だよな?例の隠し子の話したのか?」


「いや…その前に行っちまった。」


「のわりに、何あきらがそんな神妙な顔してんだよ?」


「いや、ちょっとあいつの様子と呟いてた事が気になってな…。」


「なんだよ?」


「あいつ、例の記事見てこう言ったんだよ

『見つけた』ってな。」


「何だよそれ?見つけたって何をだ?」


「だろ?だから俺も疑問に思ったんだよ。しかもあいつ、不気味な顔して笑いながら言ったんだよ。」


「マズイな!」


あきらと総二郎の後ろから遅れて話を聞いていたというのに、類は事の重大さを理解した。


「「類!」」


「司は!?」


「帰ったんじゃねぇ?」


その言葉に類は眉間を寄せた

「急ぐよ。」


言うと類は二人に目もくれず足早に歩き出した。
あきらと総二郎は事態が解らず、それでも類の直感を信じて類の後を追って歩き出した。


そして、迎えの車に三人は乗り込むと、それまで黙っていた類が変わらず厳しい表情をしたまま口を開いた。


「あの、司の父ちゃんの相手って写ってた女…多分牧野だよ。」


「「はあ!?」」


二人にとってそれは寝耳に水だった。


「んなわけあるかよ?」


「あぁ、俺もそれはないと思うぞ?」


「いや、あれは牧野だよ。」


「…まさか…」

「司の子だっていうのか!?」

「あぁ。だったら合点がいくだろ?」

「確かにありえっけど…となると司にレイプされて出来たガキって事か?」

「司、自分のガキだって気づいたと思うか?」

「かも…でもそれよりも牧野を見つけた方が司にとって大きかったってことでしょ?」

「…まさかまだ諦めてなかったって事か!?」

「多分。だから牧野が危ない!」

「あぁ、急がねえと!」


*******

三人は司と決裂したあの日の事を思い返した。


F4は揃って英徳大学へ進学した。

そして、入学して間もない4月のとあるランチタイムに類がカフェテリアに来ると、丁度類を探していた司が現れた。


「類、あのおかっぱ女の番号教えろよ?」

「何急に!?司、もしかして何か思いだした!?」

「いや。ちげーよ。

クックックック…あのお…」


続きを言いかけたところで、後ろから総二郎とあきらが現れ話の腰を折られた格好となった。

「おい、司!お最近盛ん何だって?」

18年間潔癖だった幼馴染は、初めて恋をして、心底惚れた女の事だけを忘れると言うあり得ないような記憶喪失となった。

そして、彼女の事だけを忘れた男は潔癖だった自分さえも忘れたのか、それまでが嘘のように女を求めるようになっていた。

男たるもの遊ばないと。やっと女に目覚めたのか。…そうプレイボーイのあきらと総二郎は思うのに、どこか寂しさを拭えないのは、二人とも司の純情なそんなところが好きだったからだ。

そして、その恋した女に一途で純粋な愛を注いでいたから、そんな恋が出来る男を密かに羨ましくも思っていたのだ…。


「しっかしおまえ、手出しすぎなんじゃねぇか?」

「おまえらに言われたくねぇよ。」

「俺と総二郎と一緒にすんな!俺は一途なんだよ。」

「俺だって最近の司ほどじゃねぇぞ。」

総二郎とあきらが噂で聞くだけで、この半月でざっと10人はいる。

最近の司の情報を知らなかった類は、三人のやり取りを聞いて司が女遊びを始めた事実を初めて知った。

あの病院で会った嘘つき女で懲りなかったの?司あたまおかしくなったんじゃない?


「司、知らない女と気持ち悪くないの?」

「あぁ!?」

「ちょっと前までの司は知らない女に触れるなんて気持ち悪がってたろ?」

「…」

その場の空気に暗雲が立ち込め始めたのを察知したお祭りコンビは、この場を丸く治めようといつもの様に調子のいい事を言って盛り上げようとした。

「まぁ、司も漸く男になったって事だろ?」

「あぁ、はっきり言って遅すぎたくらいだろ?
ところで、初めてはどうだったんだよ?」

「そうだ、せっかくずっと守ってきた童貞をおまえが捧げたのはどこのだれだよ!?」

「んぁ!?名前なんて知らねえな。ックックック…俺よりおまえらのが知ってんだろ?」

………?お祭りコンビは顔を見合わせ、アイコンタクト交わした。

『『誰だよ?』』『『知らねえぇー』』


「俺らが知ってるって一体誰だよ?」

答えを気にするお祭りコンビを他所に、司は類の薄茶の瞳をじーっと見つめると、ニヤリと薄ら笑いを浮かべてその人物を告げた。


「類の女」


その瞬間、その場に落雷が落ちたかのような衝撃を与えた。


「「「…まさか!!!」」」


「あのおかっぱ女、性懲りもなくうちの邸に来やがったからな…ックックック

どうせ類だけじゃなくおまえらが仕込んだんだろ?

あいつあんな貧弱な身体してるくせしてうめぇんだな。クックックック…」


司の物言いに、牧野への情など全く感じられない。

そして、牧野が今の司とセックスするなんて到底信じられない…。

類の頭に浮かんだある仮説…



「まさか…おまえ無理やりやったのか!?」


「それがどうした?

あいつ処女じゃねぇくせしてもったいぶりやがって、散々抵抗したけどな…スゲー気持ちよかったぞ。

あいつ俺のセフレにしてやっから番号教えろよ。

いいか、俺が飽きるまでおまえらは手出すんじゃねぇぞ。」


その瞬間、激高した類が司を思い切り殴り飛ばした。


「牧野はそんな女じゃない!」


呆気にとられている司を更に総二郎が殴った。


「あいつは俺らの大切なダチだ!」


総二郎にまで殴られ、怒りが込み上げてきた司は反撃しようと立ち上がろうとしたところを、今度はあきらに思い切り殴られ、みたび吹き飛ばされた。


怒りにワナワナと震える拳を握りしめ、あきらは言葉を振り絞り、努めて冷静に司を糾弾した。

「今のおまえに言うだけ無駄だろうがな、あいつはおまえが心底惚れた女だぞ。」

「フン。おまえらとち狂ったのか!?あんな貧乏女に入れ込みやがって!!」



三人の背中にそんな司の捨て台詞が聞こえてきたが、最早何を言っても無駄だと悟った三人は立ち止まって司とこれ以上話す気になれなかった。


それよりも、その後の牧野の事が気がかりだった。


司と別れ、いつの間にか英徳を退学した事は知っていた。

本当は退学などしてほしくなかったし、あのまま親しく交友関係を持ち続けたかったが、肝心の牧野が距離を置きたがった。

あいつの辛い気持ちを尊重したばっかりに…。


慌ててアパートへ行ってみたが、既に引っ越した後で、編入した高校までも退学していた。

それだけじゃない。牧野の家族も行方がわからなくなっていた。

一体あいつどこへ行ったんだ?





☆☆☆☆☆☆☆

漸く登場した司ですが、何度も告知してましたが鬼畜になっております。

みなさんの予想を下回るだったか、上回るだったかによって受け止め方も違うと思いますが、こんな司でも何を考え何を想っているのかを想像しながら呼んで頂けたら、今後の展開が又一味違って読めるのではないかと思います。




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