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あなたがいたら ~25~ 

※第25話はつくしの出産のお話になりますが、アメリカの出産事情がよくわからないので、ご存知の方にとっては違和感等があるかもしれませんが、そこは素人の拙いお話と目をつむって頂けたら幸いです。



*****

12月28日、つくしは18歳の誕生日を迎えた。
牧野家は勿論の事、尊、楓、そしてニューヨークのお邸の使用人達に祝福され、豪華ではなくアットホームな心温まる日となった。

この時既に臨月に入っており、つくしはいつ出産してもおかしくない状況にいた。
そして、その時はやってきた。

1月6日の昼食を食べ終えると、腹部に痛みが走った。直ぐに痛みが引き、最初は勘違いかと思ったそれはやがて20分、15分と感覚が短くなり、10分間隔で痛みに襲われ、つくしは心配する母に背中を撫でられ、オロオロする父の手をぎゅーっと握りしめて病院へ向かった。
つくしが分娩予定の産院は、セレブが出産する事で有名な超が付くラグジュアリーホスピタルで、腕は勿論、セキュリティにも万全が期されている。食事も☆が付く名店で総料理長をしていたコックが腕を振るっている為、舌の肥えたセレブにも大評判だ。アメニティもメイプルをはじめとする一流ホテル同様の物が使われている。
陣痛・分娩・回復までを移動することなく一室で済ませる事が出来、又完全個室の為リラックスして出産出来るLDR室で出産する事が出来る。


陣痛は10時間以上に及び、日を跨いで7日になった頃、破水し、子宮口は全開となった。
いよいよと周りにも緊張が走り、つくしの疲れも痛みもピークに達していた。

「ベイビーが出ます」

その声につくしはなけなしの力で思い切りいきんだ。

「んんんんぅうう」

なんとも言葉にならないいきみ声をあげながら、自分の膣内から一気に滑り落ちるように取り上げられた我が子。

確かに分娩したはずなのに、聞こえるはずの産声が聞こえない。

ハアーハアーハァーと、つくしは息を荒げて正面を向くと、丁度診察台に載せられるところだった。

えっ?

数名のスタッフが慌てて機材を運んできて、産まれたばかりの我が子に処置が行われている。

今目の前で起きている光景が理解できない

どういう事!?

ぐったりとしていて、力なくうつろな目だけが、まだ見えていないはずだというのに、まるで母親を探すようにこちらを見つめているようだった。その姿は痛々しく、弱々しくて、初めてみる我が子の姿につくしは涙が溢れてきた。

医師や看護師達の声など周りの雑音は聞こえない。

時間の感覚もわからなくなる。

つくしはわが子が医師と看護師によって処置されているその光景を前に、我が子の目をジッとみつめ祈る事だけしか出来なかった。

ごめんね。ごめんね。

お願い…早く声を聞かせて


神様、お願いです…あたしからこの子まで奪わないで…


一体どれくらいの時間だったのだろう。
つくしの祈りが通じたのか、我が子は突如むせこみ始め、直後、漸く産声を上げた。
初めて聞くその声は、つくしがドラマや映画からイメージしていた張り裂けんばかりのオギャーというものではなく、本当に小さな小さな声でオギャッと産声を上げた。

小さくても、それは確かに我が子の初めての生まれたのだという自己主張であり、つくしは漸く安堵し、ずっと堪えていた涙が頬を伝った。



生まれてきてくれてありがとう。あたしの赤ちゃん



ねぇ…あんたパパになったんだよ…道明寺







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- 4 Comments

通りすがり  

司とつくし大好きです

全部読みました!すごく続きが気になります!

2018/04/23 (Mon) 10:42 | EDIT | REPLY |   

きぃ  

私も……司とつくし大好きです

通り*。°さん

全部読んで下さったんですね!拙いお話をありがとうございます。さて、続きですが更新したいなとは思っていますので、もうちょっとだけお待ちいただけたら幸いです。

2018/04/24 (Tue) 07:14 | REPLY |   

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2018/05/09 (Wed) 08:40 | REPLY |   

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2018/08/24 (Fri) 01:01 | REPLY |   

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