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おとぎ話 ~1~ 

このお話はタイトル通りおとぎ話になっております。まんまなタイトルですよね(;^ω^)
その為、登場人物の名前も若干変えてありますので違和感を感じる方、ネーミングセンス等色々と思うところがあるかもしれませんが、ファンタジーですので明るくご容赦下さい。

司=ツカサヌス
つくし=ツクシーヌ
楓=カエデン
椿=ツバキーユ
タマ=タマン



*****
昔々、ここ日本から遥か遠い遠いとある国をドー・ミョージ一族がおさめておりました。
女王のカエデンは冷酷で冷たい冷笑しか浮かべないので、鉄の女王と呼ばれ民衆を震え上がらせる恐怖政治の元に従えさせていました。

ツバキーユ姫はその姿を一目見た者は誰もが感嘆するという程の美貌の持ち主でありながら、豪快な性格で、しかし誰にでも優しく接する人柄から民衆の誰からも人気のお姫様でした。
カエデン女王は、姫が産まれた時からどこの国へと嫁がせようかと常々思案しておりました。そして、年を重ねる毎に益々美しくなっていく姫に、縁談の数は引く手あまたでそのどれもが良縁と思える嫁ぎ先でした。
しかし、カエデンの期待と欲望とは裏腹に姫は家臣と恋に落ちました。
取り付く島もない状態で、ツバキーユが駆け落ちをしようと企んでいる事を知ると、家臣を死罪にしたくないならばと隣国のホテール王子との婚姻を迫りました。
姫は泣く泣く恋人を救う為にホテール王子の元に嫁ぎました。


カエデン女王には、王子もいました。その王子も又、誰もが見惚れる彫刻のような美しい造形美を持つ青年でしたが、ツバキーユ姫とは違い民から恐れられる存在でした。我儘放題の俺様で、カエデンさえももて余す問題児なのです。


ある日所用の帰り道、カエデン女王とツカサヌス王子を乗せた馬車が森の中を通過している時の事、急に馬車は止まりました。なかなか出発しない事に腹を立てたツカサヌス王子は何事かと窓を開けると、怪しげなローブを纏った老婆が道に倒れており、馬車の運転手がその老婆を抱き起そうとしているところでした。
救助しようとしている家臣にむかって苛立ちを隠そうともせず叫びました。

「何してやがんだ!そんなん放っとけ!」

「しかし、倒れている民を放っては……」

すると窓から長い腕が伸びてきて、運転手の胸倉をぐっと掴むと締め上げたのです。

「てめぇ誰に口答えしてんだ?この俺様が放っとけってんだ。大体どうするつもりだ?まさかあんなきったねぇババアをこの馬車に乗せるとでも言うのか?」

ものすごい力で締め上げられ、息が苦しく感じる中、どうすればいいのかと迷った馬車の運転手はカエデンに助けを乞うため視線を向けました。しかし、ピクリとも表情を変えずに放った一言に、運転手は期待した自分が愚かだったと思い知りました。

「早く出せ。」

そうだった。常に冷徹非道な女王が人助けなどするわけがない…。
そして、カエデンの言葉を合図のように、ツカサヌスは締め上げていた手を緩め、勢いよく運転手は地面に転げました。
家臣はそれ以上何も言えなかった。これ以上一言でも発したならば自らの身が危ないと感じたからです。

家臣は老婆にすまないとカエデン女王とツカサヌス王子に聞こえないよう小さく呟くと踵を返し、後ろ髪をひかれながらも馬車の手綱を掴みました。

再び走りだしたその馬車を、老婆は唸りながら見つめました。

その唸り声も、老婆の怨みも二人に聞こえる事も伝わる事ももちろんこの時はありませんでした。
しかし、二人はその怨念の深さを直ぐに思い知る事になるのです。

そう、怨みというのはことのほか深いのである。



*****
その夜、カエデン女王がベッドに入ろうとしている時、突如としてビューッと風が入り込んだ。きちんと戸締まりしているはずだというのにランプの灯りが激しく揺らめき、その異様な光景にカエデンが部屋の外で待機している警備兵を呼ぼうとしたその時、彼女の目の前に昼間見た薄汚れたローブを纏った老婆が現れました。

「一体ここへどうやって入ったのだ。」

「ヒッ…ヒッヒッヒッヒ…どうやってだと?そんなの簡単じゃ。…魔法」

魔法だと?たわけた事を。そう思うのに、先程から感じるこの老婆の薄気味悪さと自分に対する憎悪に満ちたオーラを感じ、これまで感じた事のない身震いのような震えを我知らず感じていました。

「警備兵!警備兵!」

バタン!バタン!

警備兵が開けようとした部屋の扉はすぐさま勢いよく閉じられ、ドンドンと扉をこじ開けようとしているのだろうドアに体当たりしているのだろう音だけが室内に響いてきました。

「何をした?」

「言っただろ?魔法だ。
お主とお主の息子が昼間した仕打ち。よもや忘れたとは言わぬな?
何が女王じゃ。何が王子だ。てんで呆れるわ。」

「…あの時のか。」

「女王よ、お主が一番大切な物はなんだ?地位か?金か?家族か?」

「……。」

「この国は代々ドーミョージが一族治めとるな。今後もおまえの愚息が子をなして継いで行く。ヒッヒッヒッヒ…そう思うとるじゃろ?…じゃがそれももうしまいじゃ。民を人とも思わず踏みにじり大切に出来ぬお主達一族が治める国など先が見えておる!」

途絶えさせる?…まさか!

「クックック…安心しろ。わしは人殺しはしたりせん。じゃからお主や王子の命を奪ったりはせんよ。その代わり…ヒッヒッヒッヒ…」

怪しく笑うと老婆は両手を高らかに上げて、右手に持っていた杖を振りかざしました。

「アブラカタブラブッタッタ…エィ!」

怪しげな呪文とともに杖から閃光がほとばしると、それは空中で弾けました。

「ヒヒッこれでお主達が心を入れ替えぬ限り跡継ぎが産まれる事はないじゃろう。」

先程までと身体になんら異常を感じないカエデンは一体何の呪文だったのか気になりました。

「一体何をしたというのだ!?」

「ワシは王子に永遠の眠りの呪いをかけた。それが解けるのはただ一人運命の相手じゃ。運命の相手とのキス。それで王子は目覚めるじゃろう。そして、その相手はこの国を導いてくれるじゃろう。
よいか、お主が認めたらいいだけの事じゃ。」

「ヒッヒッヒッヒッヒッ……」

魔女は薄気味悪い笑いをしながら、突如として現れた竜巻に包まれ去ってしまいました。

老婆が去った直後、魔法が解けたカエデンの部屋には雪崩のように警備兵達がなだれ込んできましたが、既に老婆は立ち去った後で特段脅威があったようにも思えない室内の様子に警備兵達は困惑していました。
そんな中、カエデンだけはこれまで感じた事がない不安という感情に押しつぶされそうになっていました。

そんな呪いがあるわけない。そう思うのに払拭出来ない。
カエデンはツカサヌスの事が心配になり、未だ困惑している警備兵達を伴いツカサヌスの部屋を訪れると、そこには既に床について熟睡しているツカサヌスがいました。
穏やかな表情で眠る息子の様子に一瞬安堵しかけるも、老婆の言っていた『永遠の眠り』という言葉が脳裏に浮かび、カエデンはツカサヌスを起こそうと彼の枕元へ歩み寄ろうとしてあと1mというところで、まるでバリアーでも張られているかのようにビリビリと身体に電流が走りそれ以上近寄る事が出来なくなってしまいました。
その様子を見ていた警備兵達も近づこうと試みましたが、みんなビリビリと電流に阻まれ誰も近づく事が出来ません。

「なんという事なの…こんな魔法があるなんて」

カエデン女王は翌日から老婆を探し出すべく国中に老婆の手配書を配り広く情報を求め、徹底的に森の捜索も始めました。
大規模な捜索をしても老婆の姿は一向に見つからず、激怒したカエデンは森に火を放つよう命じました。
家臣はみなそれがいい考えだとは思いませんでしたが、かといって誰一人NOと言える者もおらず、あれほど木々が生い茂り、小鳥たちが囀り、季節ごとに咲き乱れる花たちであれほど豊かな森だったというのに、無残にもそこは焼け落ちて灰野原と化してしまいました。

更に、女王は翌日から国中の貴族の娘達を集め、ツカサヌス王子のバリアーを突破できる者を探し始めました。
しかし、国内の娘達は誰一人として突破できる者がおりませんでした。そして、隣国、更に隣国へとその話は広まっていき、眠れる美しい王子と運命の相手になろうとする多くの有力者の娘達が司の元を訪れ始めました。

果たしてツカサヌス王子の運命の相手はみつかるのでしょうか?




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2018/02/06 (Tue) 19:18 | REPLY |   

きぃ  

スリー*.*ーズさん

おはようございます。
第二話でツクシーヌもタマンも登場します。そこでご質問の事は全て解るので楽しみにお待ちいただけたら嬉しいです。
それから、このお話のポイントは老婆がカエデンに言った呪いを解くにはどうしたらいいかにあります。イイ意味で予想を裏切れたら嬉しいです。

2018/02/07 (Wed) 09:41 | REPLY |   

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