FC2ブログ

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Love Letter ~中編2~ 

つくしはバイト先の和菓子屋へ入りスタッフルームへ駆け込むと、大きく深呼吸をした。
今日は朝から怒涛の一日だった。

「どうしたの?すっごい溜息ついて。」

「あっ!優紀来てたんだ?」

「来てたんだ?じゃないわよ。どうしたの?」

優紀の顔を見たら、話さずにはいられない衝動にかられた。というよりも、聞いてほしかった。
こんな事優紀以外に相談出来る人もいないしこれ以上一人でため込むにはキャパオーバーになりそうだった。

「優紀、聞いてよぉ!」

それからつくしは着替えながら、そしてバイトが始まってからもお客があまり来ないのをいい事に、優紀にラブレターを書いた事から始まりついさっきまで一緒に居て送ってもらった事までを事細かに事実だけを話した。

親友の牧野つくしが通っている英徳学園で馴染めずにいる事は入学初日から聞いていて知っていた。そして、そんな彼女が密かに憧れている一つ年上の花沢類という先輩がいるという事も。
話しかける事はおろか近づく事さえ出来ない雲の上の存在であり、学園のアイドルF4の一人だという。
つくし曰く、花沢さんは“ビー玉の瞳の王子様”らしい。
そして今回つくしが間違えてラブレターを出した相手がそのF4の一人で道明寺司さん。
つくし曰く、常に眉間に皺を寄せてイライラしてて、蛇のような目つきで怖い。でも、髪型はチョココロネみたいでウケるらしい。
と、以前から聞いていたF4の話はそんな人たちだった。

ていうかさ、話した事もない相手にラブレターなんてよく出したね。
優紀は心の中ではそう思っていた。それでも孤独な学園の中で見つけたキラキラとしたよりどころがその人なら憧れずにはいられなかっただろうし、お近づきになりたかった気持ちも分からなくもない。
それがまさか…

「ドジだね、あんた。」

「何度も確認したんだよ。」

「でも実際道明寺さんに渡っちゃったんでしょ?」

「んん…それはそうだけど。」

「てかさぁ、なんですぐに間違えましたって言わなかったの?先延ばしにしたらドンドン言い出せなくなるだけだよ?」

「うん…分かってるんだけどね。もちろん言おうとしたけどさ、すごいのよ!」

「何が?」

「オーラが!!」

「……ぷっ、ぷぷぷっ…なにオーラって!?」

「優紀も見たら分かるよ。圧っていうのかな?
クスッ…でも今は言えなくて良かったのかなって思ってもいるんだよね。先入観で関わりたくない人って思ってたんだけどさ、一緒にランチ食べたり、教室でクラスメイトに怒ってくれたり、ここまで一緒に来たりしてみてイメージ変わったんだよね。実はイイ人だった。だからさぁ悩んじゃって…。
ねぇ、あたしどうしたらいいの!?」

「んん…ていうかさ、そもそもなんで道明寺さんは告白OKしたんだろ?これまで接点なんてなかったんでしょ?当然あんたを知るわけもないだろうし。」

「とりあえず彼女が欲しかったとか?」

「それなら聞いてる限り選び放題の人なんじゃない?だってあの道明寺財閥御曹司の超セレブで、ルックスも芸能人顔負けのカッコよさってさ。そんなスペック持ってる人なんて他にいないよ?こういっちゃ何だけど道明寺さんにはつくしより条件いい人もいると思うんだけど。」

「それは…」

もっともだ。気づいてはいたけど、やっぱそう思うよね。
つくしは言葉に詰まってしまった。
そんなつくしを見て、悪気はなかった優紀も言い過ぎたと感じた。

「…なんかごめん。」

「ううん。…確かにそうだよね。」

優紀の言う通りだ。何で選び放題の中あたしを?
あたし、騙されてる?

どんどんと表情が曇っていくつくしを見つめながら優紀は先程の発言を後悔していた。

「もしかしたらさ、今は庶民が物珍しいだけなのかも。」

自嘲気味にいうつくしに、益々罪悪感に優紀は襲われた。
つくしの長所は親友である自分が最もよくわかっていて、太鼓判を押せる自負があった。だがそれはつくしの容姿にではなく内面に対してだ。勿論容姿もかわいい。だがつくしを好きになってくれる人には容姿ではなく内面を見て好きになってほしいという想いがあったのだ。
つくしがいうにはこれまで全く関わりがないという。となると容姿がタイプだって事?んん…

「道明寺さんの真意はわからないけどさ、これまであんたから聞いてた人と同一人物とは思えないし、あんたに合わせてくれてるのもポイント高いんじゃない?
ごめん。話戻すけどさ、あんたの話聞いてるとあたしに相談しなくてももう答え出てるでしょ?」

答えが出てる?
つくしは優紀の言葉の意味が理解できずに優紀の瞳をジッとみつめたが、丁度その時女将さんから声がかかった。

「ちょっと牧野さん松岡さん、お客様よ。」

二人は慌てて姿勢を正して視線を入口に走らせた。

「「いらっしゃいませ。。」」



*****

その夜道明寺司の熱愛ニュースを耳にしたF3が司を訪ねて道明寺邸にやって来た。

「おまえ女が出来たってマジかよ?」

「あぁ。」

「しかも相手は庶民の女だっていうじゃねぇか。そんなに美人なのか?それともナイスバディなのか?」

「いや…美人ではないな。ナイスバディでもない。」

「はぁ!?じゃあ何がおまえをその気にさせたってんだ?」

「……イ……」

「はぁ?聞こえねぇよ。もっとはっきり言えよ。」

「ウルセー!あいつは最高にイイ女なんだよ!!」
いいか、あいつに近づくな。指一本触れるな。一言たりとも話しかけんじゃねえぞ。」

そう言い放つと、これ以上は詮索するなと言わんばかりにポイッ!ポイッ!ポイッ!っと三人は邸を追い出された。
しかしそれで引き下がる三人ではない。今夜はさすがに司を聴聞する事はもう出来ないだろうからと、翌日にむけてある作戦を立てた。

「聞いたか?イイ女だとよ。しかも…最高にだと。」

「クックック…楽しみだな。あの童貞チェリーの司がその気になったんだからマジで超絶イイ女なんだろうな。」

「けどよ、そんなイイ女なら俺らが知らないわけなくね?
知ってるか?」

「いや知らねえ。
類は知ってっか?」

「興味ない。」

「ま、類も司同様お子様だからな。
何にしても、司が独り占めとは黙ってらんねえよな?」

総二郎とあきらは二人の思い描くタイプの女性を想像し、類はどうでもいいとばかりに無関心を露わにしていた。


そして思い思いに夜は更け、又新しい朝がやってきた。




にほんブログ村


スポンサーサイト

- 2 Comments

-  

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2017/10/25 (Wed) 18:59 | REPLY |   

きぃ  

スリー.*.*.さん

おはようございます。
優紀には私が思っている事を代弁させちゃいました。優紀が投げかけた疑問は、読者さんの中でも感じてた方はいらしたと思います。
なぜ道明寺は付き合おうと思えたのか?
今日中編ラストを午後に更新予定です。そこでなぞが明らかになったり深くなったりしますのでお楽しみにしていてください。
後編なんですが、このお話は短編なのでちょっとした私の気分転換のつもりで始めたんですが、あまり反応もないのでもう後編書かないで“あなたがいたら”と“恋説”に戻ろうかと思います。

2017/10/26 (Thu) 08:38 | REPLY |   

Leave a comment

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。