恋説 ~13~ 

「どうするつもり?…んん…そんなん俺にもわかんねえわ。」

「えっ…」

これが憧れのF4 のリーダーなの???
わかんねぇわって、こっちがわかんないわよ。
道明寺司という男は砂上の楼閣だったの???
優紀の落胆を余所に司は言葉をつなげた。

「けどよ、こいつが今こんなんなってんの、俺のせいだろ?」

あれ?そう!そうなのよ!!
優紀はコクンと頷いた。

「俺はこいつにはじっくり聞きてえ事あっし、誤解も解かなきゃなんねぇ。」

「誤解ですか?」

「ああ、こいつからなんか聞いたか?」

その問いに、優紀は何が誤解かはわからなかったが、つくしがショックを受けていたとしたら3Pの事以外なかった。だがまさか初対面の相手に3Pなんて言葉恥ずかしくて発する事が出来なかった。

「えっと…ハハッ…そのぉ…複数の男女がその…」

「やっぱりな。こいつ、俺もあいつらとセックスすると勘違いして飛び出してったんだろ?」

「はい!えっ!?誤解なんですか!?」

「あったりめぇだろ?そんな他人と共有するとかって気持ち悪い事できっかよ。」

今肩の力が抜けたのが分かった。
なんなのこの拍子抜けは。
優紀は酔いつぶれているつくしに視線を走らせた。

あんた、こんなに飲む必要なかったみたいだよ。
先程までの大虎ぶりを思いだし、優紀は吹き出してしまった。

「クスクスクス…つくし、喜ぶと思います。でもまさか、フフッ…その誤解を解くためだけにわざわざつくしを探してらしたんですか?」

「ああ。何度書けてもケータイ繋がんねぇし、普通飛び出してったって聞いたら心配すっだろ?」

「クスッ…そうですね。普通心配はしますよね。
でも64件も電話掛け続けたり、家にまで行ったり、酔った相手を迎えになんて来ませんよ。」

優紀の言葉に司はその切れ長な目を見開いた

「恋、してるんですね」

“恋”?そんなもん俺の辞書には必要ない言葉だったから意味すらわかんなかった。

「んなわけ…」

だが確かに俺、なんで汗かいてまで牧野の事必死こいて探してんだ?
明日オフィスで言えば言いだけの事だ。
それに誤解されたってかまわねぇじゃねぇかよ?
今更ながらに己の行動に笑えて来る。

なんなんだこの感覚。

笑えるのに、俺らしくねぇってのに、なんか悪くないなって思える。



俺…恋ってやつ、してるのか?

とうとうしちまったのかよ…俺。

よくわかんねぇ。けど、これだけははっきりと断言出来る。

「じゃあ、責任とんねえとだろ?それに…今日は帰したくねえ。それじゃ理由になんねえか?」

な、な、な……なんなの!!
『帰したくねぇ』なんて反則でしょ!?もうーお、つくしはなんでこんなオイシイ場面に寝ちゃってんのよ?あんたの人生史上最大最重要の一大事なのよ!?

「いえ!なってます。はい。…でも…あの、つくしはずっと勉強ばかりして来て。…そのぉ…恋愛経験がないんです。だから遊びとかなら止めて下さい!」

この牧野のダチもさっきから興奮したかと思ったらマジな顔したりおもしれな。
つーか、俺チャラくねえから。

「…フッ遊びじゃなきゃいいんだろ?」

そう言ってニヤリと微笑んだ司の表情からは自身がみなぎっていた。

「それって…」

“真剣”って事?

「約束する。」

そう言うと、司は眠っているつくしを抱きあげた。その姿が優紀にはキラキラと輝いて見えた。なぜなら完璧なまでのルックスで、愛おし気につくしを見つめるその眼差しが、普段媒体で見るどの道明寺司とも違っていて、優しくとろけそうだったから。
こんなカッコイイ人初めてみた。

思わずスマートフォンのカメラ機能でシャッターを切っていた。

カシャッ!

その耳障りな音に司が視線を走らせると、松岡が俺と牧野の写真を撮っていた。俺は写真を撮られるのが大嫌いだ。仕事で撮られるのも最低限しかうけねえし、プライベートなんてここ何年も撮ってねえ。それを隠し撮りするたぁこの女イイ度胸してんな。

「おい、何撮ってんだよ?」

いくら牧野のダチといえど文句を言って消去させるつもりだった。

「勝手にすみません。でもあまりにも絵になってて。へへッこれ、つくしにLINEで送るんです。折角の初お姫様抱っこなのに眠っちゃってますから。」

その言葉と松岡の目から、悪用する意図は全く感じられず、むしろどんな写真を撮ったのかみてみたくなった。

「俺にも」

「え?」

「俺にも送ってくれ。進のメモ、あれ俺の名刺だ。」

道明寺さんがこれ欲しいの?マジ?

「は、はい!」

優紀はつくしを抱えて颯爽と去っていく司を見送ると、ずっと手に握っていたメモ書きもとい、名刺の表側をまじまじと見た。

道明寺ホールディングス株式会社
専務取締役 道明寺 司

そこに書かれていたのはまぎれもなく本物の道明寺司の名前が書かれた名刺だった。
この名刺を喉から手が出るほど欲しがる会社員は世界中に数えきれない程いるだろう。それをこともあろうにメモ書きに使うなんて。

ありえない。

優紀は早速そこに書かれているアドレスへ画像を転送した。
ついでにアプリでキラキラの♡のフレームに加工してスタンプで盛って、それも一緒に送信した。
同じ画像をつくしにLINEで送信すると、司の名刺を失くさないようスマートフォンのケースに挟み帰る支度を始めた。
会計をするためにレジに行って驚いた。

「お会計は先に帰られたお連れの方がすましておいでです。」

いつの間に…。さすが道明寺さん。

つくし、やっぱり道明寺さんカッコよすぎだよ。

「がんばれ つくし!」





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4 Comments

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2017/09/12 (Tue) 23:41 | REPLY |   

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2017/09/13 (Wed) 05:43 | REPLY |   

きぃ  

こんばんは☆

じゅ〇こさん

司をすぐに立ち去らせるパターンで一度書いたんですが、どうもしっくりこなくて最終的にこんな感じに(笑)原作よりもミーハーな感じがしますが、そこは原作とは違い4年の女子大生生活と男性との色々を経験しての優紀と言う事でどうでしょう?
つくしが爆睡中です(笑)ホント残念ですよね。

2017/09/13 (Wed) 23:32 | REPLY |   

きぃ  

kac〇〇さん

こんばんは。
優紀ぽくないかもとも思ったんですが、気に入って頂けて良かったです。
この時点で恋、やっぱりしてますよね?どうかいたら伝わるかと悩みながら書いたのでホッとしました。
写メ、絶対素敵だと思うんです。それを見たつくしの反応が見たくて書いちゃいました(笑)
いつもコメントありがとうございます。

2017/09/13 (Wed) 23:42 | REPLY |   

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