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王子様は旦那様~9~ 

11月のとある吉日、ここはメイプル東京のチャペルの中でも一番人気の通称青のチャペル

近年日本でもサムシングフォーを取り入れるカップルが増えてきている。
サムシングフォーとは花嫁が幸せになりますようにと願いが込められた欧米のおまじないの一つです。
結婚式の当日に「なにか新しいもの」「なにか借りたもの」「なにか古いもの」「なにか青いもの」の4つを取り入れることで、永遠の幸せが続くという言い伝えられているのです。


チャペルの大きな扉が開き、花嫁のなのかと新婦の父親である司が神妙な顔つきで生演奏の流れる中入場して来た。
新郎である類の前に立つと、本来なら花嫁の手を新郎に託さなくてはならないというのに、司はどうしても出来ずに妻のつくしに引き離されるというアクシデントがあったものの、それ以外は厳かに執り行われた。

新しいものは類君と二人で決めたウェディングドレスとシューズ、それと自分で選んだセットの下着

借りたものはママが結婚式で着用したヴェール。これは周りで一番幸せそうなのが自らの両親であり、憧れでもあるのでママから借りる事にしたのだ。

古いものはおばあ様から譲り受けたパールのネックレス。婚約報道からほどなくして帰国した楓からプレゼントされた。

青いものは亡き母の婚約指輪をリメイクし、ブルーダイヤを嵌めて結婚指輪にしたもの。
類からの婚約指輪を嵌めて牧野の祖父母宅にあいさつに行くと、おもむろに渡されたのは小さな箱だった。

「これは進が春菜さんに贈った婚約指輪なんだけど、学生のできちゃった婚でお金もなくてね、二人からしたら安物だろうけど、受け取ってあげて?」

そういって渡された指輪は、確かにお世辞にも高価とは言えないものだった。それでも亡き父と母を思い浮かべるとその指輪が愛おしくて大切に思えた。

「ありがとう。大切にします。」

類は帰りの車内でなのかに考えを伝えた。

「頂いた指輪さ、リメイクしてそれで結婚指輪をつくらない?勿論そのまま残したいっていうなら無理にとは言わない。」

なのかは類の考えに驚いた!!

「私も同じこと考えてたッ!でもいいの?」

「ああ。そうしたいんだ。」

二人は想いのこもった結婚指輪を嵌めて誓いのキスをした。



*****

披露宴は場所を移動して道明寺邸の広大な庭でガーデンパーティ形式で執り行われた。
愛する人、愛してくれる人に囲まれて二人の望むアットホームな素敵な披露宴となった。

5歳から16歳までの11年間という短い時間ではあったが、深い愛情を注がれ、それは時間の長さ以上の蜜の濃い時間だった。



道明寺なのかとして書く最後の手紙


『お父様、お母様へ

幼くして実の両親を事故でいっぺんに亡くし、独りぼっちになってしまった私の母親となってくれたママ。まだ未婚なのに、私を引き取り仕事と幼い私の世話との両立はとても大変だったと思います。でも、ママから一度も弱音を吐かれた記憶がありません。いつも笑顔で全力で私と向き合ってくれましたね。
ママと二人の生活も幸せでした。ママもそうだったと思います。でも、ママがパパと結婚して父親となってくれた事で私には家族が又増えました。そして弟の稜と妹のかすみが産まれて、独りぼっちだった私は、こんなにもあたたかい家族に囲まれて過ごす事ができました。
血がつながっていない私を、家族として受け入れ溢れる愛を注いでくれた家族に感謝の気持ちでいっぱいです。

パパ、ママ、私に夢をありがとうございました。

道明寺なのか』









*****

無事結婚式を終え、日が昇り…今なのかは邸から巣立っていく。
11年という歳月は、司にとってもなのかにとっても短いものだった。それでもここでなのかは抱えきれない大きな愛を注がれた。



「いつでも帰って来いよ。」



「嫁ぐ娘に早速帰って来いよはないでしょ?」



「いいんだよ。ここはおまえの実家だかんな。実の家と書いて実家だろ?」



「ㇰㇲッそうだね。ありがと…パパ。」




「ぜってー高校卒業するまではガキ作んじゃねぇぞ!」



ガキを作る→子作り→セックス


昨夜初めて類と結ばれた。正真正銘の初夜だったのだ。
その事を思い出し、なのかの顔は沸騰して真っ赤にじょうきした。
年頃の女の子なので、面と向かってこんな事をよりにもよって父親には言われたくない。
それでも父がふざけたり揄つもりではなく真剣に言ってくれている事だけはその目を見てなのかも理解した。
それなのにこんな事を連想してしまい恥ずかしくもなった。恥ずかしい自分をすぐに引っ込め司の目を見てはっきりと考えを伝えた。



「赤ちゃんは勿論欲しいけど、今はその時期じゃないって解ってます。ちゃんと高校に通ってもっと多くの事を学びます。
ママみたいに旦那様と対等でいられる女性になりたいから。」



そう澱みなく言い切ったなのかの表情に、少し大人になったと司とつくしは感じ、嬉しくも寂しくもあった。



外で待つ類の元へ歩んでいくなのかの後姿を見送りながら、司はつくしに囁いた。



「傷心の旦那様を慰めろよ?」



「それはお互い様よ。私も慰めて。」





その後司とつくし夫婦の元には類となのか夫婦よりも早くコウノトリがやって来たとか。



二人の元には一体いつ来るのか?それはきっと…、近くはないけど遠くもない未来。






~Fin~




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2017/08/30 (Wed) 08:15 | REPLY |   

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2017/08/30 (Wed) 09:26 | REPLY |   

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2017/08/30 (Wed) 10:48 | REPLY |   

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2017/08/30 (Wed) 12:46 | REPLY |   

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2017/08/30 (Wed) 14:55 | REPLY |   

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2017/08/30 (Wed) 15:38 | REPLY |   

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2017/08/30 (Wed) 16:37 | REPLY |   

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2017/08/30 (Wed) 17:58 | REPLY |   

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2017/08/30 (Wed) 22:51 | REPLY |   

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