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王子様は旦那様 ~5~ 

今日は母の日だ。毎年母の日は弟の稜と妹のかすみと一緒にカレーライスを作ってお祝いするのが恒例になっている。



「ご飯食べ終わったら3人で買い物行こうね。」



「「うん!」」



「イヤ、なのかは俺と二人で出かけるからダメだ。」



「「えぇ~!!!」」



と、稜とかすみは声を揃えてブーイングを上げた。



「俺もー!行きたい!行きたい!行きたい1」



「私も行きたい!ねぇ、パパお願い。」



稜のお願いは聞き入れられない事がほとんどだが、かすみのお願い攻撃だけは娘にデレデレのパパは聞き入れてしまって、よくママに叱られている。きっと今度もそうなると思っていた。



しかし予想に反してパパはかすみのお願いを退けたのだ。
それなら、私も私だけパパと出かける気にはなれず



「私は稜とかすみとカレー作る約束があるから…」



そう断りを告げると、



「それは帰って俺もやる。」



更に上行く予想外の事を言われてしまった。



「「えぇ~!!パパにできるの??」」



「うっせー!声揃えんな!なのかは早く支度しろ!!!」



そう言うとパパは立ち上がってスタスタと自室へ入って行ってしまった。きっとパパも支度をする為に行ったのだろう。



「なんでねえちゃんだけなんだよ?俺もどっか行きてぇよ!」



「私もどこか行きたい!!」



「もー。じゃあさ、二人はママと一緒にじいじとばあばのお家に母の日のお祝いに行こう?」



「「やったー!」」



喜んでいる二人を尻目に、私はまだ気が乗らない。



「ホラ、急いで支度しなくちゃ。ね?」



「マジで私だけ?」



「うん。司の希望を聞いてやって頂戴。」



「ううん…わかった。ハァー緊張するよ。」



「フフッ大丈夫よ。別にとって食われたりはしないんだから。」



そう言ってママは私の背中を押すと支度を急がせた。



渋々支度をする為クローゼットを見まわすと、足元に見慣れない紙袋が置かれていた。
何だろう?そう思い中身を見ると、これまた見慣れない真っ白なレースのワンピースが入っていた。



鏡の前に立って自身に当ててみる。……んん…ママには若すぎるし、かすみには大きすぎるから私にだよね?…へへッこんなの欲しかったんだぁ♪
嬉しくてその真新しいワンピースに袖を通すと鏡の前に立った。サイズはぴったりで、デコルテ部分と七分袖部分がレースのシースルーになっているけれど上品できれいなラインのワンピースだ。



さすがママ!



ワンピースに合わせてヘアは緩くあみこんだお団子ヘアにして、メイクはナチュラルだけど、仕上げのチークとリップだけは可愛くピンクをいれて、ハイ!完成!!



支度を終えてリビングに戻ると、既にパパも支度を終えて寛いでいた。



真っ白のコットンシャツにブラックのパンツを穿いて、その長い足を組んで新聞を読んでいた。
背もたれにはグレーのジャケットがかけてあるからこれが今日のパパのコーディネートらしい。
シンプルなのにパパが着るとなんでもカッコよくなっちゃう。パパの服はどれもオーダーメイドなのよ。ってママが前に言ってたけど、きっとパパならどんな安物の服を着ても高級品に見えちゃうんだろうな…。



「あら!すごいおめかししちゃってかわいいわよ。」



「うん、これありがとうね。こんなの欲しかったんだぁ♪」



支度をしたなのかがリビングに戻ってきたけれど、見慣れないワンピースを着ている。
お小遣いで買ったのかな?
と思っていると、まさかのお礼を言われてしまいつくしは驚いた。



え!?私じゃないけど…
となると思い当たるのは隣に座っているこの男。
チラリと視線を走らせると、目が合った瞬間パッと視線を外されてしまった。



もうッ!



「なのか、すっごく似合ってるわよ。」



「へへッありがとう。さすがママ!ナイスセンス!!」



「フフッでもお礼を言うのは私にじゃなくて司によ。」



「え!…パパが?」



「チッ……あぁ、たまたま見つけてな。おまえに似合いそうだったから。……ゲ……って…。」



バツが悪そうに舌打ちし、恥ずかしそうに白状したパパだけど、最後の方はあまりにもぼそぼそとしゃべっててなのかには聞き取れなかった。



「クスッ…クスクスッ恥ずかしがらないではっきり言えばいいじゃない。」



どうやら隣にいたママには聞こえていたらしく、いい年して恥ずかしがる夫をかわいくとでも思ったのか笑い出した。



「んだよ…スゲー似合ってる。」



そう言ってパパが笑顔を私に向けてくれた。
あれからずっとお互いにぎこちない感じだったから、こんな何気ない事なのに、すごく嬉しくて私…泣いちゃうよ。



「グスッ…ありがと。すっごく嬉しい。」



「バカかおまえは。こんな服一枚で何泣いてんだよ?」



このワンピースは勿論嬉しいけどさ、涙が出ちゃうのはパパのせいだよ。
パパが笑ってくれた事の方が、私には何倍も嬉しいんだよ。



「へへッ…グス…大事にするね。パパ♡」



「お…おう。



ほら、行くぞ。」



そう言うとパパはジャケットを掴んで立ち上がり、私の横に立つと腕を九の字に曲げた。



「ほら、今日は俺とデートだからな。」



「母の日なのに?」



「母の日だからだろ?ホラ行くぞ。」



「行ってらっしゃ~い!」



「行ってきます!」



パパは私を助手席に乗せると再びママの元へ戻り、出かける時のルーティーンでもあるママとキスをして運転席に乗り込んできた。




よくこの日本で、人前で、恥ずかしげもなくキスができるなぁなんて思う気持ちもあるけどさ、こんな風に結婚して十年以上経っても変わらず新婚みたいにラブラブな二人に憧れてもいるんだよね。



私も類君と結婚したら、ママとパパみたいに…♡



へへッへへッ…




「なぁなのか、憧れてくれんのは嬉しいけどよ、そんな妄想父親としては聞きたくねえんだけど。」



「え?又やってた?」



「ああ。その癖つくしとおんなじだよな。」



「へへッ以後気を付けまーす!!」



とか言いながら、全然なおんねえじゃねえかよ。
呆れつつも、そんな娘が可愛いのだ。



頭をポンポンと撫で、司は愛しげに愛娘との時間を噛み締めた。









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