あなたがいたら ~17~ 

邸を後にした司は、そのままメイプルの最上階にあるプレジデンシャルスウィートへ向かった。
数時間前までいたこの部屋に、まさかこんなに早く戻って来る事になるとは思ってもいなかった。

しかしあのまま邸にいたら息ができねぇ。
幼い頃から邸は自分にとって決して居心地の良い場所ではなかった。
なら一体どこが自分にとって居心地の良い場所なのだろうか?
この先自分にそんな場所がみつかるのだろうか?
諦めとも言える境地に来ている。

だが、本当にそうだっただろうか?
俺の忘れてしまった記憶は、俺の居場所を知ってたんじゃないか?
この手は、あったけえぬくもりを知ってた気がする。

ふとそうした考えが浮かぶ事がある。

自分自身信じられねぇくらい笑顔で誰かとバカ話して笑ってる夢をみたり

夢じゃなくて現実だったんじゃ…?

だが、それ以上を考えようとすると激しい頭痛に襲われる。

そうした時は痛みから逃げるように酒を飲み気を紛らわしてきた。

そんな日常の中、あの日、あのおかっぱ女を抱いてた時だけは俺の中のイライラやモヤモヤしたものが晴れていた。

その後強制的ではあるが眠らされ、あの時もすげーぐっすり眠る事ができた。

あの快感が俺をスッキリさせたんだろう。セックスが俺のイライラを解消してくれる。
いいストレス解消方法を見つけた。あの女、俺のおもちゃにしてやる。
司はそう結論づけた。

しかし、つくしの行方を邸の者に聞いても誰一人明かしてくれない。
そもそも俺はあいつの名前すらしない。


今日は1杯じゃ足りなくて、2杯、3杯と飲み、一体何杯飲んだのかすら記憶にないが、気づいたら俺はベッドの上で眠っていた。

そして、気が付いたら窓から陽はさしておらず、煌びやかな夜景が窓という額縁の向こう側に見えた。

気怠い身体を起こして熱めのシャワーを浴びると、服を着て俺は昨日同様夜の街に繰り出した。

昨日とは違うクラブへ行き、寄って来る女は誰でもよかった。
大事なのは俺がその気になれるかだ。

二人組の女が声をかけてきた。
余計な事はどうでもいい。
おしゃべり?俺はしらねえ奴と話して楽しむ気はねえ。
駆け引き?ヤルかヤラナイか。ただそれだけの事。

会って間もない女達をメイプルの部屋へ連れて行った。

こんな庶民じゃスウィートはおろかメイプルにすら脚を踏み入れたのは初めてかもしんねえな。

興奮ぎみの女達に俺はある事の命じた。

「俺のを舐めろ。」

「「…?…!!」」

一瞬何を言われたのか分からなかったのか、困った顔をした二人だったが、次の瞬間意味を理解したのか笑いだした。

「いきなり舐めろとかってあり得ないし!」

「もう、爆笑!!」

「うるせー!これは冗談なんかじゃねぇからな。俺をその気にさせてみろ。出来たら5万やる。」

「えッ…そんなんで5万くれるの?」

「ああ。どうだ?ちょろいか?」

「クスッ…あんたイケメンだしいいよ。じゃ、二人分10万ちゃんと用意してんでしょうね?」

「当たり前だ。」

俺の言葉を聞いた直後、女達は俺のパンツを脱がせにかかった。

迷彩柄のボクサーパンツが露わになり、その布越しにまだ力なく眠っている俺を撫で退る女と俺のシャツを脱がし始めたもう一人の女。

乳首を攻められ、息子を攻められ、キスをされ、それでも俺の息子は眠ったままだ。
次第に女達も徐々に1枚、又1枚と服を脱いで下着になり、ほぼ裸になりながら、俺を全身を使って刺激してくる。
女の胸に挟まれたり、口内に含まれしゃぶられたり…

昨日の女同様どの行為も不快でしかない。
触れられる度にゾクゾクと感じるのは武者ぶるいみてえなもんなのか?
このゾクゾクを抜けたら俺は、あのおかっぱ女で感じたような快感を感じる事ができんだろうか?

必死に堪えてその時を待つも、待てど暮らせどなんの変化もない。

どれだけの時が経ったのか、次第に女達がイカりだした。

「てゆうかさ、あんたいんぽ?」

まただ…

「こんなにして勃たないなんて病気なんじゃん?」

「うるせー。俺はいんぽじゃねぇ!!」

又してもいんぽ呼ばわりされた俺は怒りに任せてショーツ1枚の女達を部屋から追い出した。

ドンドンドンドン!!

「ちょっとふざけんじゃねぇ!お金払いなさいよ!」

「うるせー。俺は勃ったらって言っただろ。」

イライラするも、財布から10万取り出すとズカズカとドア向い、勢いよくドアを開けて女達めがけて金を投げつけた。

「約束の金だ。金輪際俺に話しかけんじゃねえ!!」

そう言い放つとドアを閉めてシャワールームへ直行した。

触れられた全身を真っ赤になるまで洗うために。


俺はそれから2週間、毎夜彷徨うように同じ事を繰り返した。
何人の女が俺の身体に触れたのか、正直憶えてねぇ。
その誰もが俺をその気にさせる事はなかったんだから、俺にとってはどうでもいい人間だ。

やっぱおかっぱ女しかいねぇのか?





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6 Comments

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2017/07/27 (Thu) 14:31 | REPLY |   

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2017/07/27 (Thu) 15:00 | REPLY |   

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2017/07/27 (Thu) 17:04 | REPLY |   

きぃ  

kac◯さん

そうですね。心身ともに、全身でつくしを求められるようになってほしいですね。
残念なお知らせですが、まだ終わっていません。司が最後に何をみつけるのか…見届けて頂けたら嬉しいです。

2017/07/30 (Sun) 17:57 | REPLY |   

きぃ  

澪◯さん

司に対してお叱りコメントが多い中、司こそ犠牲者という考え、嬉しかったです。

つくしはなんだかんだでみんなに守られていますからね。

再開した時に二人がどうなるのか、今後司がどうなっていくのか、幸せにしてあげたいですね。

2017/07/30 (Sun) 18:06 | REPLY |   

きぃ  

ゆきた◯◯さん

哀れですか…。確かに哀れな男ですね。
早く本来の、司に戻ってほしいですね。
コメントありがとうございました。

2017/07/30 (Sun) 18:09 | REPLY |   

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