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恋説 ~5~ 

パーティー会場は既に大勢の招待客で賑わっていた。
そんな中、俺が牧野をエスコートして現れると、一気に会場中の視線が俺たちに向けられた。

遠巻きにざわつき始めたのがわかった。
そりゃそうだよな。…俺がお袋とねぇちゃん以外の女をエスコートして現れたのは、なんてったって初めてなんだからな。

高校を卒業と同時にNYへ渡り、五年間あっちでビジネスと学業の二足の草鞋を履いてきた俺。当然のようにパーティでエスコートを頼まれたことなんて数えきれねぇ程あった。

だが俺は全てを断り続けた。
一度でも引き受けたらきりがねぇ事を、お人よしのあきらを見て悟った。
あいつは老若関係なく、女だったら引き受けている。
ただでさえ、知らねえ奴に触れたり触れられたりするなんて気色悪ぃってのに、我慢してニコニコ愛想振りまくなんて俺には出来ねぇ事だ。
けど、それが通用したのは学生でもあった間だけの事…

俺は卒業して日本への帰国と同時に専務に就任した。

その際社長であるお袋から命じられた業務命令が女の第二秘書を付けること。

俺の一人目の秘書は西田が選出した俺よりも三歳年上の鎌田興産の娘。
所謂コネ入社ってやつで、仕事が出来ねぇくせに、媚だけ売ってくる俺が一番大嫌いなタイプの女だ。
なんでこんな役立たずを秘書につけたのか、俺は毎日西田に呪いの手紙ならぬ、呪いのメールを送り続けた。

ピロ~ン♪『秘書を代えろ』

ピロ~ン♪『秘書はいらない』

ピローン♪『秘書を辞めさせないと、明日地獄に堕ちるぞ』

だが西田からの返事は決まって、

ピロ~ン♪『社長の意向もあるので御辛抱を。』だ。

俺は役立たずの第二秘書を空気のように存在を無視して我慢した。

が、あのバカ女は俺のその我慢の限界を超えさせた。
あろうことか、俺とヤッテルなんて大ぼらを吹聴してやがったんだ。

誰があんな女とやるってんだ!?

俺の逆鱗に触れた女は金輪際俺の目に触れないようにしろ!って事で、子会社に左遷させた。

次の秘書は、三塚っていう三十代で秘書課の中では一番のベテランで信頼できる。って西田が太鼓っ腹(太鼓判)を押した女だ。

だが、その西田が信頼してたって女も、所詮ただの薄ぎたねぇメス豚だった。
鎌田のように、俺と寝たって嘘をつきやがったんだ。
三塚も即刻左遷させようとしたが、秘書としての能力はあるって西田がいいやがっから、移動先は西田に任せた。

どうやら、一人目の鎌田が抱かれたなら三塚もでしょ?って聞かれて見栄を張ったらしい。

そんなくだんねぇ女の見栄の為に、俺の貞操は何度汚されてんだよ。

全く俺はそんな手の早いカルイ男だと思われてんのかよ?

いくら俺が超絶にイケメンでモテっからって、なんだよそのイメージはよ。

これでも俺は硬派なんだぞ。

って事で、俺は秘書に手を出すチャラい専務って、社内でまことしやかに囁かれる存在となってしまったわけだ。

マジでありえねぇ。


だから、次の秘書は俺が選ぶ!って断固として譲らなかった。
まず、秘書課の女どもは全員NGだ。
全員顔に『やりたい』って書いてっからな。
次に秘書検定を持ってる社員をリストアップさせた。
まず既婚者を除外した。既婚者と何か根も葉もない噂をたてられたら厄介だからな。
次にブスとデブを除外した。俺のパートナーがブスやデブだなんてありえねぇだろ?
最後に、俺と何かあると勘ぐられそうにない女を選ぶことにした。
色気のない清潔感のある女がいい。

そう考えながらリストとにらめっこをしていると、一人見覚えのある女がいた!

「こいつ!!」

西田が横からそのリストの人物を確かめるために身を乗り出した。

そして西田も思いだしたようだ。

「この社員はあの時の…」

「ああ、間違いねぇ。…クックック…」




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