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恋説 ~3~ 

専務のぶっきらぼうだけど、優しいところに触れて、あたしの専務に対する評価がちょっとだけアップした。ほんのちょこっとだけだけどね……クスクス。

エレベーターを降り、待機していたリムジンに乗り込むと専務とともにメイプルへ向かった。
そして、到着すると専務とあたしは着替える為に部屋へ入った。
なんとそこにはあたしの分のドレスも用意されていたのだ。

これまでも西田室長とともにパーティーに同行した事は何度かあるけれど、スーツのままでの参加だったから、てっきり今日もそうだと思っていた。
今日のパーティには、秘書としてよりもパートナーとしての参加だと言う事を、今専務の口から初めて聞いた…。

パートナー…あたしにつとまるの?

一抹の不安を感じながらも、時間がないと急かされてヘアメイクをしてもらってドレスに着替えた。

鏡に映るあたしは一体どこの御令嬢?
って思うくらい、自分じゃないみたいで、見間違い?なんて信じられなくて食い入るように鏡を覗き込んでいると、ドアをノックされた。

「まだか?」

「はい、今終わりました。」

専務を待たせている状況にハラハラしながら慌ててバン!とドアを開けると、専務はたばこを吸いながら、イライラした様子でこちらを見ていた。

又怒鳴られると思ったのに、目が合うとパッとすぐにそらされてしまった。
なんだろ?この反応?とにかくお礼は言わなくちゃね。

「専務、こんな素敵なドレスを準備頂きありがとうございます。」

「フン、うまこにも衣装だな。」

うまこ?…馬?…子?

あ!

「クスクスクス…馬子にも衣裳って言いたかったんですね?」

つい嬉しくて突っ込んでしまったあたし…

言った言葉は今更撤回出来るわけもなくて、専務はほんのり赤らめていた顔を、一気に真っ赤にして、眉毛を釣り上げた。

そして、吸っていたタバコを力任せに灰皿にぐりぐりと押し付けたのだ。

ひいぃー!

あのたばこのようにぐりぐりされるかと思って身構えていたのに、意外にも専務は何も言ってこなかった。

そして、改めて専務の姿をよく見てみる。フォーマルに着替えた専務は、何て言ったらいいんだろう……憎らしい位似合ってて、生まれもっての気品って、こういう事かぁって納得しちゃうほど似合ってる。

「何見とれてんだよ?」

一瞬ドキッとしちゃった。

「え!?あっ……とてもお似合いです……フフフ。」

「だろ?羨ましいか?」

「いえ。私には専務のような気品を持っていてももて余すだけですので。」

はぁ?…

「気品だぁ?」

「はい。その事ではないのですか?」

キョトンとした顔して何すっとぼけた事言ってやがんだ?

「おめぇバカか?……クソ!」

専務は苦虫を潰したような顔をしたかと思ったら、そっぽをむかれてしまった。
一体何だっていうのよ?ワケわかんない。


ボケボケ女が、何が気品だよ。カッコいい位言えねぇのかよ。

……待てよ。俺は、なに残念がってんだよ。
これじゃまるで、牧野に言って欲しかったみてぇじゃねぇか。

カッコいいってな……。

わあぁ~ありえねぇ。俺ともあろうものがなんなんだよ。

カッコイイなんて、俺への褒め言葉じゃありきたりで言われなれてるってのに…。

なんでこんなにがっかりしてんだよ…俺。

この初めて感じる胸のモヤモヤにイライラしながらも、俺は立ち上がると同時にポーカーフェイスにつとめた。
そして、まだキョトンとした顔の牧野を横目に見ながら通り過ぎ、

「行くぞ。」

と、いたってクールに俺の感情を悟られないようにした。


なんであたしがバカなのよ?あたし、何かまずい事言っちゃった?
もしかして、馬子ってつっこんだから、やっぱり怒ってるわけ?
わけがわからないまま立っていると、突然専務は踵を返してスタスタと歩き始めた。
その表情はいつも通り、何を考えているのかわからない真顔に戻っていた。



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