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あなたがいたら… ~1~ 

その日、政財界に激震を与える記事が世界中に配信された。

『療養中の道明寺財閥総帥に隠し子か!?母親は十代!!』

冷徹非道と言われる男と同一人物とは思えないほど、柔和な表情を浮かべて赤ちゃんを抱く姿に世間は目を奪われた。そして、その腕の中に大事そうに包まれている赤ちゃんの顔は、彼との血縁を決定づけるに十分なほどによく似ていた。

そしてもう一枚の写真は、赤ちゃんが産まれる前なのだろう、妊婦の女性と公園でおいしそうにお弁当を食べている微笑ましい写真だった。女性の方は顔にモザイクが施されている為どんな女性なのかはわからない。


このニュースをロスの自宅で知った椿は驚愕した。

まさか母を裏切っていたとは信じられない。

しかも十代!?私より若いっ!!

財閥のためなら汚い事をしてきただろうし、弟である司の数々の不祥事もお金でもみ消してきた事も知っている。だからとても清廉潔白とは言えない。しかし、家族よりもビジネスを優先してきたような男だが、女性関係については誰よりも潔癖であったと椿は思っていた。

しかし、父があんな風に微笑んだ姿を娘の椿でさえこれまで見たのは数える程度だった。

そんな父が屈託なく微笑むなんて…

そして、写真に写っていた父が抱いていた赤ちゃんは、そんな自分の不安を増長させるには十分なほど、あまりにも似ていたのだ。

まさか自分に弟か妹が…!?

父が療養に入り第一線を退いている今、代わりにそれまで以上にハードスケジュールをこなして財閥を守っている母は今どういう想いなのか…心優しい椿は母を心配した。


すぐさま椿はジェットに乗って、ニューヨークの邸で療養中の父の元へ殴り込みする位の意気込みで乗り込んだ。


バーン!と、使用人たちが止めるのを振り切って父がいる部屋のドアを勢いよく開けて中に入った。


「お父様!これはどういうことですの?」


しかし、その勢いは次に目にしたものにくじかれた…。

父の傍らに立ちあの赤ちゃんを抱く少女を目にして、椿は驚きとショックで手にしていた雑誌は床に落ち、一歩、二歩と後ずさった。

叫んでしまいそうな口元を、自然と両手が覆う。

こんなことって…

まさか…まさか父の相手があなただったなんて…



「…つくしちゃん」




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