Category: あなたがいたら…  1/4

あなたがいたら ~19~

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一ヶ月に渡る欧州での視察を終え、NYへ戻る為に空港へ向かう車内でそれは報告を受けた。これまで記憶にない程多くの司が起こした不祥事を、道明寺という圧倒的権力と財力で片付けてきた。それらは英徳での赤札なんていうくだらない遊びや、チンピラとの喧嘩だけだった。女性関係といったら牧野さんだけ。司なら他のどんな女性でも選べたでしょうに、牧野さん以外の女性にはめもくれなかった。それが、あの事件で牧野さんの記憶だけ...

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あなたがいたら ~18~

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俺は入学してからまともに通っていない英徳大学へ行った。目的は勿論講義を受ける為ではない。昼時なので、目的の人物はカフェテリアにいるだろうと思い向かってみると、その相手はすぐにみつかった。好物のフルーツグラタンなんてまずそうなもんを、満足げに食べていやがる。まだ俺に気づかないそいつの元へズンズンと進み、空いている隣の席へ腰かけた。チラリと俺に視線を走らせると、一瞥したのみで顔いろ一つ変えずに黙々と食...

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あなたがいたら ~17~

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邸を後にした司は、そのままメイプルの最上階にあるプレジデンシャルスウィートへ向かった。数時間前までいたこの部屋に、まさかこんなに早く戻って来る事になるとは思ってもいなかった。しかしあのまま邸にいたら息ができねぇ。幼い頃から邸は自分にとって決して居心地の良い場所ではなかった。なら一体どこが自分にとって居心地の良い場所なのだろうか?この先自分にそんな場所がみつかるのだろうか?諦めとも言える境地に来てい...

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あなたがいたら ~16~

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bububububu…その振動する携帯電話の持ち主であるタマがディスプレイを確認すると、そこには“邸”と表示されていた。時刻は12時を指していた。定時連絡かとタマは尊とつくしに断りを入れて特別室内にある別室へ移動すると応答した。「タマさん、先程坊ちゃんがお戻りになられたのですが、昨日同様牧野様をお探しになられております。ご指示通り知らぬ存ぜぬをつき続けておりますが、タマさんを連れて来いと…その…。」言い淀んだ執...

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あなたがいたら ~15~

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俺が日本に降り立ったのは13時間後の、日本時間だと午前11時過ぎたあたりだ。日本の空はこの季節には珍しく、今にも雨が振り出しそうな雲行きだ。まるであいつらみたいだな…。タラップを降りると、タマが手配した運転手が迎えに来ていた。そのまま真っすぐに娘の入院している病院へ向かった。そこはうちの病院で、政界・財界・著名人がお忍びで入院する為に一般患者とは隔離されたエリアがある。勿論俺の病院なんだから俺が現...

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